「大麻と精神作用」
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大麻草にも色々な品種があります。インド大
麻のように、精神作用のあるものもありますが、そもそも元々日本に自生している大麻は、精神作用を持つカンビノールという化合物の含有量が少ないのだそう
です。
大麻=麻薬ではありません。大麻は植物の名前なんです。
現在日本で主に栽培されている、品種名がトチギシロという繊維用の大麻草は薬理成分はほとんど含まれていません。なので栃木県では他の農作物と同様、防護
柵なしに栽培されているそうですよ。
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「日本人のアイデンティティー」
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麻は古代では「ヲ」とか「ソ」と、だいぶ短い名前で呼ばれていたそうです。麻植(おえ)という名字・地名も残っていますね。
現代では、大麻の繊維は身近なものではなくなりました。しかしどうしても他のものに替えられないものがあります。
日本人のアイデンティティーにも関わる、精神的な部分。神道での祓い、清めのツールとしての利用などです。
伊勢神宮の御神札(おふだ)は、「神宮大麻」と呼びます。
昔は本当に麻そのものを配布していましたが、明治4年以降は、現在の御神号「天照皇大神」(あまてらすすめおおかみ)と押印したものになりました。
神社に行くと、祓串とも呼ばれるおおぬさ(大麻と書いておおぬさとも読みます)や注連縄、鈴緒などをご覧になると思いますが、あれらは「大麻」で出来てい
ます。
祓串は左右左と振って祓いますが、大麻の祓いの作法は本来「ひきなでる」ことなのだそうです。

ご神事と大麻。頭に精
麻を巻いています。 ※画像は伊勢志摩経済新聞より引用
神道では、心身の罪穢(つみけがれ)を祓うことが大切なこととされています。
それはなぜか?
人は神様の分霊(わけみたま)なので、そもそもは神様と同様の性質を持っています。
ただ気がかりがあると、それが穢れ=気枯れになってしまうので、祓い清めることで本来の自分を取り戻そうとするわけです。
そのために祝詞を奏上し、修祓の道具として、大麻(おおぬさ)や切麻(きりぬさ)、塩湯(えんとう)などが使われます。
大麻がなぜ祓い清めのツールとして利用されるようになったか?については、倭姫命(やまとひめのみこと)が麻を使った祓法を伝えたとの記述がある、有名な
「天岩戸隠れ」神話では大麻が神の依り代とされている、など色々な説があるようです。
古代の日本人は、強く、真っ直ぐ、短期間で育つ生命力に神秘の力を感じたのでしょう。
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「大嘗祭と大麻」 |
大嘗祭(だいじょうさい)は、天皇が即位の礼の後、初めて行う新嘗祭(にいなめさい)です。
大嘗祭(だいじょうさい)と読むことが多いですが、本来は「おほにへまつり」、「おほなめまつり」だったのではないかと思います。
この儀式にもっとも重要なものが、「大麻の織物=麁服(あらたえ)」とされています。これは「服」ではなく、巻物のように長い一枚の大麻の織物で、天皇陛
下が威霊を体得
される為に神座に神御衣(かむみそ)として祀るものなのだそうです。
これは昔から「阿波忌部族(あわいんべぞく)」の麁服でなければならず、現代でも阿波忌部族の直系である三木家が畑作り、種蒔きから織りまでの一連の作業
すべてをご神事として司っているそうです。
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「大切な文化を失わないように」
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日本人が祓い清めのツールとして大切にして
来た大麻。
また、赤ちゃんの産着に「麻の葉模様」が使われているのも、「麻のように、強く丈夫にすくすくと成長して欲しい」という願いがこもっているのです。
日本人は、本来性善説で生きていると思います。「人でなし」ってググると、ウィキペディアに「人間の心を持っていない冷酷な人に対する蔑称」とあります。
そういう言葉があるのも、「人間の心は温かいもの」という前提があるからですよね。
ステキな考え方だなぁって思うのです。
日本人のそんな精神性を支える大麻、決して失ってはいけないと思います。
ぜひ皆さんに大麻に触れて、祓い清めて、ピカピカの自分になっていただきたいです。
「正しき直き 麻のごと 世の人草の鏡とも いざ伸びゆかん ひとすじに」
これは鹿沼の小学校の校歌だそうです。
すごくステキな歌詞ですよね。
現代の大麻のイメージは悲しいものですが、「正しく真っ直ぐに」本来の大麻のイメージはとてもポジティブなものです。
「大麻」のイメージが悪いからと、「おおあさ」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、やっぱり大麻はたいま。「じんぐうおおあさ」とは言いませんものね。私はや
はり、たいまと呼びたいです。
金色に光り輝く精麻や麻炭などを手にすると、きっとそのエネルギーを感じていただけることと思います。

玉串と大麻。紙垂を精麻で止めています。 ※画像は産経新聞より
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